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こども園 保護者 9 views

幼稚園受験のススメ:入園まではこんなことに気を付けて育てましょう

面接試験で保護者に投げかける質問例を丹念に挙げますと、それこそ紙数がいくらあっても足りない程バラエティに富んでいて、とても全部は挙げ切れません。

しかし、あまたの幼稚園が例外なく質問してその確認をしたい最低限の3つの要望があります。それは

  1. 衣服の脱着が自分1人でできるか。
  2. 排尿と排便が自分1人でできるか。
  3. 食事を人の手を借りないで食べられるか。

です。
換言すれば、入園までに最低限これだけは身に付けて入園して欲しいと言うことです。もっと砕いて言えば、面接試験の時にこの3つを確認したい、という幼稚園の最低限の要望の表明です。
保護者は、この3つだけは何としても子どもを躾なければなりません。
では、この3つができない子どもはどうなるのか、と言うと合格はちょっと難しい状況です。それは幼稚園のおじゃま虫になるからです。
ですから、保護者のやることは面接試験までに、まず最初にこの3つを徹底的に教育すること、もし教育途上でしたら、入園までには確実にマスターできるんだという心証を面接の際に幼稚園に与えることです。
ただし、これができたら合格すると誤解しないで下さい。これは合格駅行きの汽車が発車する駅の入場券を手にしたに過ぎず、これから合格駅行きの切符を手に入れなければいけません。
その切符を手に入れる条件は、なるべく幼稚園の手が掛からないようにお子さんをしつけることが鉄則です。その第一歩が前記の3つの条件をどの程度でクリアすればよいか幼稚園のテストを例にとってお話しします。

A. 衣服の着脱

1 . 机の上にスモックがきちんと畳んで置いてあります。先生の指示に従って子どもがスモックを着始めます。ポタンも全部かけ終わったのを確認して先生は、ハイ、 脱いでいいですよ、と声を掛けます。今度はスモックを脱ぎ始めます。脱ぎ終わったのを見て、ハイ、きれいに畳んで元の場所に戻して下さい、と指示します。
このテストの目的は幼稚園によっては通園の普段着から遊技服などに着替えさせる場合があります。そんな時に脱着にむやみに時間が掛かると指導に差し支えが起こりますので、このテストを行います。このテストの目の付け処は時間と後片づけをすることです。
ここでは後片づけは主目的ではありませんが、家庭では何かをした後の片づけは、「後で」と先送りができますが、幼稚園では何かが済んだら、直ぐにその後片づけをしなければなりません。

2 . 家庭での衣服の着脱は時間の制約がありません。集団の生活の中では時間内に要領よくやると言う新しい事態を家庭で想定して訓練をしなければいけません。
しかし、これは時間の競争ではありませんから、家庭での練習は最初はゆっくり時間を取ってゆっくりと練習して下さい。

3 .普段の家庭での洋服などの選択は母親の好みで選ばないで着替えやすい服を選ぶ配慮をして下さい。
どんなに格好が良くても後ろボタンの服は避けた方がよいと思います。
ただし、希望の幼稚園がボタン式の制服を採用している場合がありますので、その時はボタンをはめる練習もして下さい。

B . 靴の着脱

1. 衣服と同様に靴の着脱も必ず自分1人でできるように指導して下さい。右足と左足の区別ができないと靴を履けません。入園すると早速この必要がおこります。幼稚園の指定した下駄箱に自分の靴を入れること。そのためにその場所を覚えることです。算数の座標の問題です。

2. 靴の選び方も衣服の場合と同様に子とも本位で選んで下さい。紐の靴はなるべく避けてマジックテープが付いたものがよいでしょう。滑りやすい靴は避けて下さい。

C . 排尿と徘便

1 . 排尿と排便が1人でできる要諦は規則正しい食生活が不可欠です。このことを先ず頭に入れて置いて下さい。
排尿と排便の場合も衣服の着脱が必要ですから、要領よく着脱するコツを教えて下さい。
この場合も家庭できちんと教育していないと、脱がなくてもいいものまで脱いでしまって人の手を借りることが起こります。

2 . 子どものパンツはゴム入りを使用して下さい 。 子どもには子ともの排便のリズムがありますので、できることなら排便は登園前にすませるリズムを掴むのがベストと思います。

D . 食事は人の手を借りないですます

1. 大型のハンカチで包んだ弁当箱が机の上に置いてあります。
これを指示通り所定の場所に持ってこさせて、その包みをほどいて、また元のように包み直して、最初の机の上に返すテストを行った幼稚園がありました。
このテストの目的は幼稚園の昼時に持参の弁当を食べる場合を想定したテストです。

2. 手を借りないとはどの程度のことなのかは幼稚園によって多少の違いがありますが、他人の手を煩わすことなく箸又はスプーンやフォークを使って食事ができることを言っているようです。

3. 家庭の食事は結構我が儘が通っているようですが、幼稚園では余り時間が掛かる食事は敬遠されますし、食事のマナーが悪いのは最も嫌われますから、この点は家庭でしっかりと教育して欲しいと思います。

4. 家庭では決して 1 人で食事はさせないこと、テレビを見ながらの食事は避けて下さい。

5. 食事のマナーを徹底させることです 。ダラダラいつまでも食事を続けている、しかも食い散らかすような行儀の悪い食事をするなど食事マナーに反するような食事はさせないことです。そしてこんな時は優しく、そしてきつく注意をして下さい。 以上の基本的な3 つの生活習慣に続く躾の対象は次の7つの項目です。

1. 集団生活に必要な社会性を身に着ける。

  • 1) 通園に関連する一般的な交通ルール
  • 2) 遊びに関するルール
  • 3) 基本的な公衆道徳
  • 4) 日常的な衛生習慣と公衆衛生
  • 5) 集団の中での協調性

2. きちんと挨拶ができる。

3. 自分の意志を相手にきちんと伝えることができる。

4. 相手の言うことがきちんと理解できる。

5. 指示に従って行動ができる。

6. 運動機能が年相応に育っている。

7. 何事にも一生懸命に取り組む。

入園すると今までの家庭生活から集団の生活に入るわけですから、当然子どもなりの社会性が必要となります。

最も要求される社会性は

①他の園児と協調して仲良くやっていかなければならないことです。家庭ではごく限られた人、例えば家族の人たちやその周辺の人たちばかりですから、余り気を遺わなくてもすみましたが、幼稚園という集団の中では家庭で許されるような我が傑は通りません。このことをしっかり家庭で教えて下さい。 そのためには
②きちんと挨拶ができなければなりません。
「おはようございます」、「さようなら」、「ごめんなさい」、「いただきます」、「ごちそうさま」 などの使い分けです。
この程度の挨拶は家庭でも毎日のことですから、幼稚園での使用は簡単なはずですが、集団になると無口になるお子さんがいらっしゃいますから、この辺を留意して教えて下さい。

また、幼稚園では家庭より頻繁に人と口を聞く機会が増えますので、③相手に自分の考えをきちんと伝える能力がないと困ります。
適当な声量で
「何々をして下さい」、「何々をしていいですか」、「何々はこうです」、「私の名前は何々です」など語尾までしっかりと言えるようにしましょう。
例えば、母親にぶっきらぼうに「お水」とだけ言ったら、それを聞いて母親がさっと水を持ってゆくようなことは絶対にしないで下さい。こんなのは家庭で先回りのお母さんの躾がそのまま現れている典型的な例です。
「みず」とか「お水」とだけではなくて、「お水を下さい」「、お水が欲しいです」と言えるように教育して下さい。こんな時相手の方、例えば、幼稚園の先生ですと訂正して下さいますから、お子さんは④先生のおっしゃっていることを正確に理解して先生の指示通り行動しなければなりません。幼稚園の先生は優しく教えてくれますが、お母さんのように先回りして気を利かして動いてくれません。それはお子さんの自主性を損なう恐れがあるからです。 また、集団で色々な運動をしますので、⑤、⑥みんなと協調して運動することができないと困ります。
そして何をするにも
⑦一生懸命にやって下さい。ちゃらんぽらんの勝手放題ではとても幼稚園生活はできません。
基本的には
「幼稚園の先生方の手をなるべく煩わせない」
を中心に考えると躾の基本は自ずから明らかです。
この他に細かいことを挙げるととても沢山ありますが、今までお話をした基本的なこと3つと、その次に基本的な7つのことをご家庭でゆっくり時間を取って、優しくそして厳しくをモットーに自信を持って教えて下されば、これで十分で、お子さんの幼稚園生活は何のご心配もありません。

しかし、その前に幼稚園の入学試験に合格する必要がありますから、合格の鍵を握る面接をマスターして、自分が幼稚園を選ぶのだとの気概と周致な準備とおおらかな気持ちの三つを併せ持って 面接に臨めば合格は間違いありません。

出典:「幼稚園の入試面接Q&A」(日本学習図書株式会社)より