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お片づけプランナーが教える子供を片づけ上手にする方法

脱いだ洋服はそのまま、勉強道具も玩具もごちゃごちゃ…。散らかし放題の子どもに、毎日イライラしているお母さんに、子どもがみるみる片づけ上手になる秘訣をご紹介。

 

お片づけプランナーとして活躍する“お片づけのRISOLA”の米倉薫さんに、整理収納のポイントとお片づけを習慣化する方法について、伺いました。子どもはもちろん、お母さんにも役立つプロ視点のアイデアが満載です。

RISOLA米倉さん

お片づけの基本はモノを決められた場所に戻すこと

「『早く片づけなさい!』と子供を叱り、子どもが慌てて部屋に散らばった玩具や本、洋服を見えない場所へと押し込める…。これは、片づけが苦手なご家庭によくある典型的なシーンです」と話すのは整理収納のプロ、米倉薫さん。

 

大きい箱にすべてをごちゃまぜに放り込み、目の前から隠してしまうことを“お片づけ”だと勘違いしている子どもが多いといいます。すべてを一緒にしてしまうから、必要な時にものがすぐに見つからず、部屋の中をひっくり返して、またもやお母さんをイライラさせてしまうのです。

 

「部屋をきれいに保つには、3つの段階があります。まずは不必要な物を取り除いて持ち物を“整理”すること。次に家の中に持ち物の所定の位置を決めて、“収納”すること。そして最後に、収納場所からモノを出したら、また同じところに“片づけ”て、美しい部屋をキープすることです」 片付け下手といわれる人は、持ち物が多すぎる、収納場所が決まっていない、収納場所が適切でない、という場合が多いそう。

 

特に収納場所に関しては、人それぞれの生活動線や持ち物の量、住宅事情や個性などを考慮しながら、家の中で自分の持ち物の住所を決めていくことが大切です。

 

「収納グッズが好きな人は、初めに雑誌やテレビで見た収納グッズを買ってしまい、それから、そこに何を入れるかを考えがち。でも上手に整理収納をするには、まずはモノありきで考えましょう。必要なモノを整理して、何を収納するのかを先に考えてから、それにぴったりの収納グッズを買ってください」と米倉さん。

 

また、小さな引き出しがたくさんついているような細かすぎる収納グッズは失敗の元。ここは“油性マジック”の引き出し、ここは“ボールペン”の引き出しなど、複雑な住所指定をしてしまうと、面倒になって子どもが片づけられなくなります。持ち物の収納場所を決めるときは、ここは“筆記用具を入れる場所”くらいの大まかな棲み分けのほうがうまくいくようです。

子どもが自分から片づけだす!? 技あり片づけアイデア

子どもが片づけをしない理由のナンバーワンは、片づける収納場所が適切でないこと。自分で整理整頓をして、身の回りの準備もできるようになってもらうには、子ども目線の動線を考慮したお片づけプランが大切です。

 

「小学校の中学年以降になると、自分で学校の準備をする子供も多いでしょう。ランドセルと教科書の収納場所を近くにする、時間割の近くに体操服を置いておくなど、子供の動線に沿って収納場所を決められるとよいですね。これは、大人にも同様のことがいえます。

 

なぜかうまく片づけられないという人は、家事動線と持ち物の住所がマッチしていないことが多いです」 米倉さんがお片づけプランナーとしてアドバイスをしたあるご家庭に、大小の車の玩具をたくさん持っている小さな男の子がいたそうです。

 

おびただしいミニカーと大きな車のおもちゃ、他の兄弟のものなどがすべて投げ込まれたおもちゃ箱。子どもが車のおもちゃで遊ぶ度に、部屋の中は足の踏みどころもないほどに散らかります。 そこで、米倉さんは、収納棚の平らな場所を車の駐車場に見立て、子どもの整理収納を促しました。

「ここにはどの車を停めたいかな? この車のお家はどこ? 車もお家に帰りたいんだよ」と、子どもにお気に入りの車を整理させ、収納場所を決めさせると、その後は、「車さん、お家に帰るよ」と自分から片づけるようになったそうです。子どもが駐車場に停めなかった車は、普段はあまり遊ばない車のことが多いため、そうした車はボックスにまとめて片づけるようにアドバイスしたそうです。

 

カラーボックスを横置きにして利用したり、本棚の一列を駐車場にしたりなど、自宅の収納事情によってアレンジできそうですね。 子どもの整理収納を手伝うポイントは、親が細かいところまで指示を出さないこと。この押し入れの中のこのエリアはお兄ちゃんの洋服のエリア、こちらの部分は妹のおもちゃのエリアなど、持ち物の量や子供の動線を考えて、親が大まかな収納場所を子どもに与えたら、その後の細かな棲み分けは、子ども自身に任せてしまうのがコツだそうです。

 

また、子どもの中には「プリントやモノが捨てられない」というタイプもいます。

「片づけなさい!」と叱りつけると、子どもはモノを隠してため込んでしまいます。子どもが持ち物を捨てられないのは、お友達からもらった思い出の品だったり、いつか使うかも知れないからと考えていたりするのかも知れません。

「これはいる?いらない?」と子供に確認しながら、持ち物の仕分けを手伝ってあげましょう。

 

大切に取っておきたい手紙などは“思い出BOX”を作って、そこに収納しておきましょう。そして、“思い出BOX”がいっぱいになったら、もう一度、一緒に「いる?いらない?」をやってみるのです。それを繰り返すうちに、「もうこれは整理しよう」と子どもが自ら手放す日が来ます。

 

子どもだけでなく、持ち物を捨てられないというお母さんも多いのでは? 米倉さんによると、空き箱が家の収納場所を占拠しているご家庭、特売のたびに大量に買い物をして、おびただしい数の生活雑貨をため込んでいるご家庭も少なくないそう。そんなときは、子どもの“思い出BOX”と同じ手法で、「ここがいっぱいになったら捨てよう」と心に決め、すっぱり整理するように努めましょう。

気分も成績もアップ? お片付けのメリットいろいろ

きれいに片付いた部屋はそれだけで心地の良いもの。イライラが軽減し、精神的にもよい影響を与えてくれます。米倉さんのもとに相談に来る人の中には、「人がいつでも呼べる家」を目標としてお片づけをしている人もいます。

 

確かに、整理収納がきちんとできていると、部屋の中が少し散らかっていても、元の住所にパパっと戻すだけで元通り。突然の来客にも慌てません。 「片付けは、精神的な効果の他に、時間的な効果や経済的な効果もあるといわれています。モノを探す時間が短くなりますし、机の上をきれいにしておくと、物事がサッサとはかどります。片づけ上手な人はパフォーマンスが高くなりますので、子どもの学力も上がりやすいといえるでしょう。

 

また、探し物がすぐ見つからないといって、同じものを何度も購入してしまう人もいます。きちんと持ち物の住所を決めて収納していると、モノを紛失することが少なくなり、そうした無駄遣いがなくなります」 亡くしもの探しは時間の浪費となる上、イライラも募りますよね。例えば、ハサミが見当たらない時も、部屋中を探し回らなくても、文房具の収納場所の辺りをざっと探すだけで、すぐに見つけられるようになるのですから、探し物の時間が大幅にカットされるでしょう。

 

ただ、ハサミをたくさん持っている場合は、同じ場所にすべてを固めて置いておくのは、生活動線の理にかなっていません。一つは子どもの文房具の住所に、もう一つは宅配便の荷ほどきのために玄関近くの小物入れになど、家族それぞれの使いやすさを考えて、柔軟に対応しましょう。

自分の家と家族に会ったお片づけプランを立てよう

部屋をきれいに保つための基本は、整理・収納・お片づけの3ステップ。

 

まずは、不用品の整理と収納場所のプランから始めましょう。テレビや雑誌で見たとおりにしたのに片付かないという人は、その方法が自分の生活スタイルや持ち物にマッチしていないからかも。人によって、暮らす家も持ち物の量も違うため、他人の成功例が必ずしも自分にも当てはまるというわけではありません。自分の家と家族の個性に合ったお片づけプランが必要です。

 

「持ち物の住所をどう決めればいいのかわからない」、「効果的な整理の仕方がわからない」という場合は、一度、片付けのプロに相談してみましょう。一番初めの整理収納さえきちんと整えば、あとは日々の片付けのみできれいな部屋をキープできます。引っ越しや、衣替えの時期、長期休みの期間など、自分のタイミングを利用して、ぜひ親子で挑戦してみてくださいね。

取材協力・写真提供:RISOLA 米倉薫さん https://ri-so-la.com/