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アメリカ流 子どものやる気を引き出す6つのメソッド

「子どもが、全然勉強しないからイライラする!」と嘆くお母さんは、日本全国、いえ全世界にいます。この人類共通の問題に対して、さまざまな文化が混じり合うアメリカの学校では、どのように取り組んでいるのでしょうか。今回はアメリカで実際に働く小学校教師のインタビューと共に、子どもをやる気を引き出すメソッドをご紹介します。日本でも実践できるプロのテクニックをみてみましょう。

なぜ子どもは勉強をしたくないの?

「勉強しなさい!」という言葉は、言われた子どもも嫌ですし、もちろん言っている親も何度も繰り返していると疲れてしまいますね。そもそも子どもは、どうして勉強から逃げたくなるのでしょうか。主な原因をいくつか挙げてみましょう。

原因1)課題ができないから、やる気が起きない。

課題ができないことで、友達にからかわれたり、親に怒られたりするのが怖くて、やる気が出ない可能性があります。

原因2)親にうるさく言われて、余計嫌になった。

「早く勉強やりなさい!」と言って、「今やろうと思っていた!」「そんな言い方されたら、やる気なくす!」と言い返されたことはありませんか。声かけの内容やタイミングによっては、子どものやる気を削いでしまうことがあります。

原因3)まだ遊んでいたい。

遊びたい盛りの子どもたちですが、「遊んでないで勉強しなさい!」と親から言われると、勉強は「楽しみを邪魔するもの」というイメージがついてしまいます。

原因4)勉強する気分じゃない。

普段は勉強が嫌いじゃないなのに、今日はどうも身に入らない。そんな時は、学校で気になることがあったのかもしれません。   大人でも家事や仕事がしたくない日があるように、子どもも勉強をしたくない時はあります。まずはその理由を見つけることが大切です。

子どもに勇気を与える言葉 “I’m proud of you.”

現在、筆者は4人の子どもと共に、アメリカに住んでいます。アメリカは、世界有数の多民族国家。次女が通う公立小学校のクラスには、1クラス22人に対して母国語が13もあります。文化も違う上に、共通語である英語のレベルですらばらつきがある中で、全員同じ内容の授業を進行するのは容易ではありません。 昨年は新型コロナウィルスの影響で、子どもたちは何ヶ月もオンライン授業を強いられましたが、親にとっては、さまざまな先生の授業の様子を見る機会に恵まれた時期でもありました。どの先生も上手に指導をしていましたが、若くて経験が浅いのにも関わらず、特に上手に子どもたち楽しませながら授業を進めていたのが長男の担任の先生です。ある日「どうやって、子どものやる気を引き出しているんですか?」と聞くと、「特別なことは何もしていませんよ」と前置きした上で、彼女なりの5つのルールを教えてくれました。

  • 子どもの好きなものに理解を示す。

スポーツや動物など、子どもの好みを把握して、なるべくそれらを授業に取り入れる。また子どもが「好き」と言ったものには、自ら触れるようにする。例えばある映画を勧められたら、必ず観た後に「観たよ!」と声をかける。

  • 子どもの失敗に対して、辛抱強く接する。

失敗をしない人はいないので、子どもの失敗に対しては辛抱強く、動揺しないようにする。例えば子どもが備品を壊した時は、まずは「大丈夫?」と聞いて、「誰でも失敗はするからね」と伝える。

  • 指導が、子どものニーズに合っているかを考える。

休憩が必要な子もいれば、もっと頑張りたい子もいる。それぞれの子どもが成功できるように、指導者としてできる限り柔軟でいるように心がける。

  • 子どもにとって記憶に残る授業を目指す。

時間や手間はかかるけれども、場所を変えたり、普段使わない教材を使ったりして、子どもにとって記憶に残る授業を目指す。体育館からスクーターを借りて、教室で使ったこともある。最大の目的は「子どもとの絆を強めること」だと考えている。

  • 子どもたちが、自分たちの違いを誇りに思えるような環境を作る。

皮膚、髪、目、鼻、性格など、みんなそれぞれ違うということをよく話し合い、彼らのありのままの姿が特別であり、その違いに喜びを感じられるようにする。 先生の返事から見えてきたのは、子どもたちの個性に大きな敬意を払う大人の姿でした。お互いの違いを尊重することが大きな美徳とされているアメリカならではの回答ですが、日本でも参考にできる部分があるのではないでしょうか。 アメリカの学校では、先生が生徒を褒める時 “I’m proud of you.” という言葉をよく使います。直訳すると「私はあなたを誇りに思う」となりますが、この言葉には、結果が良かった時の「すごいね」だけではなく、失敗した時の「(あなたが頑張った事を)私は素晴らしいと思う」という励ましの意味もあるのです。筆者は、この言葉にアメリカの教育者たちが大切にしている心が表れているのではないかと感じています。実際に全く英語が話せず、イヤイヤ現地の学校に入学した筆者の子どもたちは、この言葉にたくさんの勇気をもらいました。 日本語で「私はあなたを誇りに思う」というと、少し大げさな言葉になってしまいますが、このニュアンスを日常生活に取り入れるだけで、親子関係や子どものやる気に変化が出るかもしれません。

今すぐ実践できる、子どものやる気を引き出すメソッド

学校の先生、習い事のコーチ、英語の家庭教師など、筆者がアメリカ生活の中で出会った教えるプロ達は、一様に「子どもをのせる天才」でした。そんな彼らから得た、子どものやる気を引き出すメソッドを6つ紹介します。

  • 毎日、子どもの気分を確認する。

子どもたちがお世話になっている英語の先生は、まずは雑談から始めて、子どもの状態を確認しています。事前に用意していたレッスンも、子どもの気分次第で内容を変更するのだとか。子どもの気分を確認する雑談は、一見遠回りのようで近道なのです。

  • 子どもの興味に、大人が合わせる。

最初は、子どもが興味を持ったところから始めます。ドリルだけじゃなく、YouTubeやゲームなど、楽しく学べる方法はいくらでもあるのです。イチロー選手のお父さんも、息子が野球に飽きたら相撲の稽古に切り替えたそうですが、このエピソードからも、子どもを伸ばすためには大人の柔軟性が必要だということが分かります。

  • 失敗は、前向きな言葉でフォローする。

失敗は誰でもするので、親はそこで子どもがやる気を失わないように注意してあげます。ちなみに長女の担任の先生は、生徒が答えを間違った時「そうだといいね〜!」と言ってくれます。失敗した後は、前向きな言葉でフォローしましょう。

  • 子どもに対して、適正な目標を設定する。

本来、子どもは達成可能な目標に向かって動く意欲を持っています。目標は簡単過ぎても難し過ぎてもダメで、「努力は必要だが成功可能なレベル」が適正です。テレビゲームで1つずつステージをクリアするようなイメージで、その都度クリアしたくなる目標を設定しましょう。

  • やることを、子ども自身に決めさせる。

本人自ら決めた内容であれば、子どもはもっと課題に対して意欲的になれます。例えば親からの一方的な命令ではなく、「何時からするの?」「どの宿題から始めるの?」という風に子どもに決断を促す声かけの方が効果的です。自分で目標を決めるスキルは、大人になってからも役立ちます。

  • 結果よりも過程を重点的に褒める。

点数など結果ばかり褒めることは良くありません。子どもは低評価を恐れて苦手分野は挑戦しなくなる上に、点数へのプレッシャーが学習の喜びを低下させてしまうからです。まずは挑戦したことを大いに褒めましょう。「頑張れば褒めてもらえる」という喜びが、次第に「できる喜び」に変われば、大成功です。

子どもに寄り添うことが、やる気を引き出す近道です

子どもには、それぞれ個性があります。同じように育った兄弟でも、同じ年齢の子どもでも1人1人得意なこと、不得意なことがあるのです。さらに毎日気持ちは変わります。 そんな子どもたちに対しての声かけが、「早く勉強しなさい!」の1種類になっていませんか。親が子どもに「やらせている」うちは、同じことの繰り返しです。親子とも疲れてしまう前に、まずは親の気持ちの持ち方を変えることから始めましょう。子どもの個性に敬意を払い、大人の方から子どもの気持ちに寄り添うことが、やる気を引き出す近道になるのです。

<参考URL>
https://www.shinko-keirin.co.jp/shinko/pittarinavi/20200522-01/?fbclid=IwAR0dNCu94LpN-500Ftwqg87f515s2It_mwhoQbGQoMsH7wNXJkRNVyvzp6w
https://developingchild.harvard.edu/resources/how-to-motivate-children-science-based-approaches-for-parents-caregivers-and-teachers/
https://toyokeizai.net/articles/-/384596
https://kiwi-english.net/19790