子供の肌着、「着せるか」「着せないか」どちらが子供にとって良いのでしょうか。
こんなことは、たいした悩みじゃないとお思いかもしれませんが、この肌着問題で悩む親は少なくありません。なにせ、そのうちの一人が私だったりもするのです(苦笑)
何のために肌着を着せるのか、そしてどうして着せないのか、どちらが子供の肌によいのか、肌着の役割や必要性を徹底解説していきます。
そもそも、子供の肌着の役割は?
肌着の役割を考えるうえで、素材のことを先にお話します。
肌着は、綿の素材がほとんど、と言っても良いくらい多いので、「綿イコール肌着」といっても過言ではありません。
なぜ綿素材の肌着が多いのかというと、綿の繊維は吸湿性が高く、内側と外側に温度差ができると、内側の水分を吸い取って外側へ発散しようとする性質があり、通気性にも優れているので、夏は涼しく冬は暖かく着られます。
なので、汗をかく季節は水分を吸い込み、外に放出する際に気化熱を奪うので涼しいし、寒い時期は素材自体の熱伝導率が低いため体の熱を温存できる、といった、温度の変化に対応する役割が綿の肌着にあります。
また、綿素材であるということは、なめらかな肌触りや着心地はもちろん、肌のために良いことがあります。
大人のあなたには、肌が肌着で擦れて黒ズミになっている所はないですか?天然繊維の綿100%素材なら、肌への摩擦が減るので、肌の黒ズミができにくく、その予防にもなります。
このように、綿の肌着には肌を守る役割があります。
そして、肌着には、大切な部分を隠して守る役割もあります。薄手のTシャツなどの下に薄手の肌着(肌着は薄手ですよね)を着せることで、肌を見せないようにすることや、紫外線による日焼けなどの外的なサポートも肌着の役割です。
ある?ない?子供の肌着の必要性
このような役割を目的として作られた肌着ですが、絶対に必要であるという理由にはなりません。
「必要であれば、もちろん用意するけれど、必要がなければコストがかからないから楽なのだけれど…。」といったママの声が聞こえてきそうですが、調べていくと、肌着の必要性は、年齢によってさまざまな見解があることがわかりました。
たとえば、小学生くらいの子供たちは、「Tシャツの下に見える肌着は格好悪い」と嫌がったりもしますし、逆に、「透ける乳首が恥ずかしいから肌着を着る!」なんて子もいます。
思春期の子供達は、特に外的な要因で決める傾向があります。
肌着が必要か必要でないかは、お子様本人が決めるので、子供自身が「必要だ」と言ったら用意してあげるのが良いようです。
では、小学生未満の子供たちはどうでしょう。大きい子達とは違って、自分の格好に無頓着な3~6歳くらいのお子様は、「暑かったら着ないし、寒かったら着る」という気持ちで決めます。
ですが、小さな子は、体温調整のための着脱の動作が未熟なので、気温の変化から自力で体を守ることが難しく、肌着が必要か必要でないかを周りの大人たちがしっかり見極めて、調節してあげることが重要です。
その他、肌着の必要性に関して、「肌着を着ることで衣服内の体温を一定に保ち、肌に与える影響を緩和できるので、肌着は必要だ」というお話がありますが、その一方で、「基本的に体温が高い子供は、暑い夏にはなるべく肌着を着せない方が良い」とも言われています。
猛暑時の気温が年々上がり続け、熱中症や体温異常(※)になる子供が年々増え続けているため、肌着タブーの幼稚園や保育園が多くなっているのも、このことが懸念されているからですが、寒い季節などには肌着を着ることが好ましいように感じます。
(※)体温異常とは、体内で産生される熱(産熱)と体外に放散される熱(放熱)の バランスが崩れて、体温が異常に高かったり低かったりすることを言うのですが、近年、親の習慣やテレビなどの影響で就寝時間が21時以降になり睡眠時間が短いのも体温異常の原因のひとつとされています。
子供に肌着を着せるのにオススメな3つの「とき」
子供の肌着を着せるか着せないかを見極めるのは難しく、着せるタイミングや目安がいまいちわからないですよね。ここまでのお話の役割と必要性を踏まえて、肌着を着せるのにオススメの「とき」を3つ紹介します。
まず1つ目は、寝るとき。
寝ているときは汗をかきやすいので、汗や皮脂の汚れを吸収して体を清潔に保ってくれる肌着はとてもオススメです。
そして2つ目、化繊衣類を着るとき。
肌に刺激があるような素材、たとえば、ポリエステルやナイロンなどが含まれる衣服は、子供の繊細な肌とこすれたりすると、かゆみや湿疹(しっしん)などの原因になります。
特に肌の弱いお子様には、やさしい肌触りの天然素材の肌着を下に着せてあげるのがオススメです。
最後の3つ目は、寒いとき。
子供は体温が高いので、私たち大人が肌寒いなと感じたときに、肌着を着せてあげるのがオススメです。
肌着を着せる目安のひとつに、お子様の後頭部付近を触って湿り気を感じるのであれば、汗をかいているので、肌着は着せなくても大丈夫です。
まとめ
ここまでのお話で、「肌着を着せるか、着せないか」の迷いは解消できましたでしょうか?
肌着は、肌を清潔に保ったり、体温を一定に安定させたりする役割のほかに、外見のサポートをする役割もあるので、肌着を必要と感じる子供には是非着せてあげましょう。
特に、思春期のお子様の場合は、お子様本人の気持ちをよく聞いてあげることが第一です。
子供の悩みや不安も肌着で解決できるかもしれません。
また、小さいお子様であれば、気温や体調など、保護者が注意深く観察して、その子にあわせた肌着の着脱調節を行うことも覚えておきましょう。
肌着は「着せなきゃだめ!」とか、「着せちゃだめ!」と思わずに、子供の体調に合わせて、子供の気持ちに寄り添うように「肌着を着せるか、着せないか」を考えて用意していけると良いです。