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父子関係が一気に深まる! 自由研究の適切な関わり方

長期休暇に出される子どもたちの自由研究。あくまで主体は子どもたちですが、取り組む内容によっては親のサポートが不可欠です。特に工作や生き物観察、科学実験では、父親が頼りにされがち。子どもの自由研究に、父親はどのように関われば良いのでしょうか?関わり方次第では、父子関係が一気に深まるかもしれません。

4つのテーマに分けられる自由研究。その目的は?

自由研究の内容は生徒の興味や得意分野によって十人十色ですが、大きくは以下の4つのテーマに分けられます。

  • 工作系

貯金箱やペン立てを作るのが工作系の定番です。長く使えるものだと、作るときのモチベーションが上がりそうです。図工好きの子供からは、からくりやぜんまい仕掛けを駆使した大作が飛び出すことも。

  • 科学実験系

夏の自由研究では、涼しげな氷を使った実験がぴったり。氷が溶ける早さや氷ができる過程を調べる実験は小学校低学年でも簡単に行なえます。高学年では、リトマス試験紙を使ってさまざまな食品の性質(酸性・中性・アルカリ性)を調べるのも良いでしょう。書店や文房具店で手軽な実験セットも販売されています。

  • 観察系

カブトムシやクワガタ、セミといった昆虫観察は男の子に大人気。一方、植物観察は女の子に好まれています。他、雲や気温などを観察の対象にするのもおもしろいでしょう。

  • 社会科系

暮らしに身近な地域のマップを作ったり、特産品を調べたりすれば、より自分たちの街に愛着が生まれるでしょう。また、環境問題や歴史など興味のあることを調べてみると、社会に対する視野が広がります。 自由研究は子どもの自主性や問題解決能力を育てることを目的としています。想像力を駆使しながら頭をひねり、手間や時間をかければかけるだけ、子どもたちが身に付けられる力も大きくなります。科学実験系テーマの場合、簡単に制作できる市販の自由研究セットも豊富にありますが、ラクに終わらせてしまえる分、せっかくの学習機会を十分に生かしきれないかもしれません。できれば、子どもの興味に即したオリジナリティあふれる自由研究に取り組むことをおすすめします。

テーマを押し付けるのはNG!親はサポートに徹する!

休み明けには自由研究の発表会が催される学校も多いでしょう。たくさんの作品の中から選ばれる優秀作品には、下記のような傾向があるようです。 ・オリジナリティが高い ・小さな好奇心から生まれたアイディア作品 ・何気ない疑問について自分なりに考察している 以下にユニークな自由研究の実例をいくつか挙げてみましょう。

  • 工作系

・卵でスーパーボール作り ・愛犬の抜け毛で分身作り ・スプレーアートで宇宙を描く

  • 科学実験系

・ペットボトルロケットを遠くまで飛ばす ・水の種類でリンゴの変色を調べる ・十円玉ピカピカ実験

  • 観察系

・カラフルフラワーで水の通り道観察 ・昆虫の住む場所と体の色調べ ・月の満ち欠け観察

  • 社会科系

・惑星ランキング調査 ・ロックの歴史調査 ・Twitterでツイートがバズった理由研究 しかし、優秀作品を狙うあまり、子ども自身が興味を持てないテーマを親が押し付けるのはNGです。自由研究の関わり方の基本は、親はサポートに徹すること。主体は子どもであることを忘れないようにしましょう。 まずは「工作系」「科学実験系」「観察系」「社会科系」の4つから自分のテーマを決め、その中から取り組みたい自由研究を選ばせてあげてください。その際、例えば「昆虫について調べる」だと対象が広すぎるため、「家の周りで鳴いているセミの種類を調べる」や「川の近くにいる昆虫を調べる」など、子供が取り組みやすいように親が制限やルールを与えてあげると良いでしょう。また、長期休暇とはいえ、他の宿題もありますので、自由研究に裂ける時間は限られています。子どもにとっても親にとっても負担にならないよう、できる範囲で楽しみながら取り組んでください。

手伝いすぎや任せっきりに注意。関わり方のポイント

長期休暇中の自由研究は、父子関係を一気に深めるチャンスでもあります。普段、仕事で忙しく子供とかかわる時間が少ないならば、自由研究で子どもと一緒に何かを作る経験は、父子にとってきっとかけがえのないものとなるはずです。のこぎりで木材を切ってあげたり、網で上手に昆虫を獲ってあげたりすれば、子どもからの評価は間違いなくアップ。「お父さん、すごい!」。そんな声が聞こえてきそうです。ただ、くれぐれも手伝いすぎには注意しましょう。長期休暇が明け、各自の研究結果が学校の教室に並ぶとき、明らかに大人が作ったものは先生にはお見通しです。 それに、子どもの宿題を親がやってしまうのは本末転倒。身に付くはずだった力も付きません。傍で見ているともどかしさのあまり、思わず手を貸してしまいそうになるかもしれませんが、そこはグッと我慢。子どもの奮闘を見守ってあげてください。うまくいかないときにこそ、成長につながる気づきが生まれるものです。 また、工作や実験、昆虫観察などでは「父親の出番!」といったイメージが強いですが、得手不得手があるのはお父さんも同じ。手先が不器用だったり、虫が苦手だったり、そんなお父さんも少なくないでしょう。かくいう筆者がそうです。幼少期から図工や工作の成績が悪く、今でも虫を触れません。 でも、そんなお父さんでもできることはたくさんあります。資料を作るのが得意なら、子どもの自由研究のまとめ方についてアドバイスができるかもしれません。写真や図表・グラフを駆使してパワーポイントでわかりやすく伝える技術は、自由研究の成果発表にも必ず役立ちます。 また、「これはどうなの?」「この部分をもっと知りたいなぁ」など、研究結果への質問を通じてさらなる学びを追求するきっかけを与えてあげることもできるでしょう。自分が興味を持って調べた内容に対して父親が関心を寄せたとしたら、子どもたちは嬉しくなってやりがいを感じると思います。「どうせお父さんは忙しいから」とお母さんと子どもだけで自由研究を完結してしまうのではなく、子どもに意見を求められたときには積極的に意見を返してあげるなど、少しでもお父さんに協力してもらえるようお願いしてみるとよいでしょう。 「よくできたね」「素晴らしいね」とがんばった成果を褒めたり、応援したりするのも立派なサポートです。努力を認めてあげれば、子どもの自己肯定感が高まり、父子関係もぐんと深まるでしょう。 先にも述べたように、自由研究は「子どもの自主性や問題解決能力を育てる」を目的としています。いわば、好きなことを好きなように研究することが大切なのです。我が家では「好きなことはすごく頑張れ。苦手なことはほどほどに頑張れ」と子どもたちに伝えています。自由研究の場面で父親にも苦手があることを教えるのも、それはそれで教育効果があるのではないでしょうか。もちろん、子どものためにお父さんにひと肌脱いでもらうのも良いでしょう。あえて苦手な分野に挑戦してみる姿を見せるのは、子どもにとって良い刺激になりそうです。

自由研究は、父子が共同で学習に向き合える貴重な機会

長期休暇ならではの自由研究は、父子が共同で学習に向き合える貴重な機会です。子どもが選ぶテーマと父親の得手不得手により、どこまで手伝ってあげられるかは変わりますが、興味を持って進捗を気にかけてあげられるはずです。長期間にわたる題材では、親も子も大変かもしれません。でも、やりきった後の達成感は格別です。夫婦間で協力し合いながら、子どもの自由研究を支えてあげましょう。