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ネット被害から子どもを守る!インターネット活用の心得

子どもたちにとって、今やインターネットはとても身近な存在。コロナ禍でオンライン授業の導入が推進されるなど教育現場のIT化が加速していますが、一方でいじめや犯罪に巻き込まれるネット被害が指摘されています。子どもたちが安全にインターネットを活用するために、親が知っておくべき心得をまとめました。

「ネットを利用している」小学生は86.3%

スマートフォンの普及でインターネットは急激に身近なものになりました。それは子どもたちも例外ではありません。内閣府が発表した「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査(令和2年3月)」によると、小学生から高校生までのインターネット利用率は93.2%に上り、小学生単体で見ても86.3%が「インターネットを利用している」と回答しています。 2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されたり、新型コロナウィルス対策の一環としてタブレットを活用したオンライン授業が推進されたりなど、今後もますます子どもたちがインターネットに触れる機会は増えそうです。 しかし一方で、インターネットを利用することで、いじめや犯罪などに巻き込まれてしまうネット被害も後を絶ちません。子どもたちが安全にインターネットを活用するために、どんなサポートをしてあげればよいのでしょうか。

子どもがインターネットを活用するメリット・デメリット

子どもがインターネットを活用することに、賛成ですか? 反対ですか? まずは、子どもがネットを利用する際のメリットとデメリットを整理しておきましょう。

【子どもがインターネットを活用するメリット】

  • IT機器の操作に慣れる

文部科学省では、『2023年度までに義務教育段階にある生徒児童1人1台の情報端末、および高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する』という構想を掲げています。つまり、ひとりひとりの子どもに一台ずつタブレット端末が配布されるのです。これからの学校教育にインターネットは不可欠となることは間違いありません。なるべく早く小さいうちから慣れ親しんでおけば、ITに苦手意識を持つことなく、スムーズに勉強に取り入れられそうです。

  • リサーチ力が高まる

調べものをする際にスマホはとても便利。これからの時代は、知識を得るだけでは不十分で、どのように知識を使うのかという応用力が問われるといわれています。インターネット活用によりリサーチ力が高まって調べものを時短できれば、その分、応用力を鍛える学習に時間を費やせるでしょう。

  • オンライン上のコミュニケーション力が培われる

SNSなどでのオンライン上のコミュニケーションはビジネスの世界にも浸透しています。子どもの頃から培っておけば、社会に出てからも必ず役立つスキルとなるはずです。

  • 連絡手段が増える

今や連絡手段はインターネットを使うのが主流です。スマホを持たせれば、家族や友だちとの連絡手段が増えます。緊急時に親に連絡したり、友だちとの人間関係を築いたりするうえで、スマホは欠かせないツールです。

  • 居場所を確認できる

スマホを持たせるメリットとしては、子どもの居場所を確認できることも大きいでしょう。スマホのほとんどの機種でGPS機能が利用できるため、学校や塾、習い事などの往復の途中で寄り道をしたとしても、子どもの位置が把握できます。

【子どもがインターネットを活用するデメリット】

  • YouTube中毒に陥る

最近では「テレビよりも見ている時間が長い」という子どもたちが少なくないYouTube。次から次に動画が再生されるために何時間も見てしまったり、少しの空き時間でもアプリを立ち上げたりする「YouTube中毒」が社会問題化しています。コロナ禍により家で過ごす時間が増えている今、子どものYouTube中毒に頭を悩ませている家庭は多いようです。また、YouTube中毒などにより寝室でベッドや布団に入ってからもスマホをいじるのが常態化すれば、睡眠障害などの健康上のトラブルも心配されます。

  • 犯罪に巻き込まれる

SNSやゲームサイトなどで知り合った人から誘いを受け、子どもが性的被害を受けるケースが増えています。令和元年にSNSに起因した犯罪被害に遭った子どもの数は、なんと2,082人(内閣府)。また、「無料」と謳っているオンラインゲームで遊んでいたはずが、有料のアイテムを購入したことで高額の料金を請求されてしまう被害も続出しています。

  • SNSいじめに遭う

悪口をSNSに書き込む「SNSイジメ」も深刻です。表には見えにくいだけにかえって厄介との指摘も。SNSいじめに遭った後、不登校になってしまう事例も発生しています。

より良くインターネットを活用するための3つのポイント

では、デメリットを最小限に抑えて、子どもたちがより良くインターネットを使うには、どんなサポートしてあげればよいのでしょうか。以下にポイントを挙げてみます。

  • インターネットの利用時間を制限する

SNSやYouTubeはついダラダラと見続けてしまいがちです。それを防ぐには、1日のインターネットの利用時間を決めるとよいでしょう。我が家ではタイマーを使い、制限時間を守るようにしています。どの程度の利用時間にするかは、親から一方的に押し付けるのではなく、子どもと話し合うことをおすすめします。また、子どもの成長とともに利用時間を見直してあげましょう。

  • フィルタリング機能を活用する

子どもにスマホを持たせるときには、「フィルタリング」機能を活用して、危険なサイトへのアクセスを遮断しましょう。またスマホにアプリをインストールする際には、親のスマホでの承認が必要となるように設定にしておけば思わぬ課金を防ぐことができて安心です。

  • インターネット利用について話し合う

「インターネットの利用時間を制限する」にも関連しますが、インターネット利用について親子で話し合うようにしましょう。インターネット利用のメリットとデメリットを子どもにも理解させたうえで、ルールやマナーを守らなければならないのは実社会と同じであることを教えてあげてください。日頃から親子で話し合い、何かあったときにはすぐに相談できるようにしておけば、万が一のトラブルにも早期に気付いてあげることができるはずです。   なお、インターネットを使用する際のルールとしては、以下のようなものが挙げられます。 ・困ったことがあればすぐに親に相談する ・利用する時間や場所を決める ・暗証番号は親が管理する ・アプリをインストールしたい場合は親に相談する ・SNSに登録する場合は事前に親に相談する ・友だち同士で電話番号やLINEの交換するのは「●歳から」と決める ・名前や顔写真、学校名などはSNSや掲示板に書き込まない ・他人の悪口を書き込まない ・知らない人からのダイレクトメッセージに返信・反応しない など

親子で上手な付き合い方を模索していくことが大切

インターネット利用には危険な側面が潜んでいるのも事実ですが、だからと言って、インターネットのない暮らしはもはや考えられません。子どもの頃からITスキルを身に付けさせておいて損はないでしょう。どのような結果を招くかは使い方次第。それは、何もインターネットに限った話ではありません。メリットとデメリットを親子でしっかりと認識しつつ、上手な付き合い方を模索していくことが大切なのではないでしょうか。