女の子ならば、いつかは経験する初潮。文字通り子どもにとっては初めての体験ですし、パパにとっても同じく未知の世界です。ここはママが中心になって、親子または夫婦で事前に話し合う機会を作ってみませんか。
今回は、娘が初潮を迎える事前準備、そしてその後のフォローなど、ママとパパがやるべきポイントをご紹介します。
初潮は、ある日突然やって来るものです
女の子の初潮を迎える年齢は10〜15歳くらい。
一般的に体の発育が良い子や、ママの初潮が早かった子などは、それよりも早く訪れる可能性があります。けれども体の成長は個人差が大きいので、普段から娘の成長や体調を見守ることが大切です。
そして初潮は突然にやって来ます。つまり学校で生理について習った後で、家にいる時に初潮を迎え、「ママ、生理になったみたい」と娘が言ってくれるような理想的なシチュエーションで始まるとは限りません。
むしろ多くの場合は、親子とも慌ててしまうようなケースが多いものです。
例えば先輩ママAさんは、お子さんが小学校低学年の時に初潮を迎え、娘さんに「血のおしっこが出たー!」と大泣きされてしまったそうです。Aさんは「私から早めに説明をしておけば良かった」と話してくれました。
また先輩ママBさんのお子さんが生理になったのは、父親と留守番している時間帯。Bさんは「主人から電話をもらっても、すぐに家に戻れず、夫にも娘にも気まずい時間を持たせてしまった。夫とどうするべきか話しておくべきだった」と反省したそうです。
先輩ママCさんは「ちゃんと家にいる時に娘から初潮を告げられたのに、全く心構えがなかったので動揺してしまった」といいます。「わぁー、お祝いしなきゃ!」と変なテンションで答えてしまったため、「もう、やめてよ!」と娘さんは怒ってしまったのだとか。「母親として、まず娘の体調を思いやる言葉をかけるべきだったと、後で気づいたわ」と、語ってくれました。
確かに初潮は予告なしに来ますが、女の子であればいつか必ず来るものです。そして、親子や夫婦の間で、ほんの少し事前準備をしておくだけで随分とスムーズに経験できるものでもあります。
では、次に具体的な初潮の事前準備について考えてみましょう。
初潮の事前準備、娘に伝えるべきポイントとは?
まず「事前準備」として、生理との付き合い方を教えるのは、同じ女性であるママ(難しい場合は、親戚の女性や保健の先生でもOK)の役目です。
特に修学旅行や林間学校、発表会などのイベントがトリガーとなって、生理が始まる子もいます。
楽しいイベントを初潮のせいで楽しめなかったということがないように、イベント前は生理の話を切り出すよいチャンスと捉えましょう。
初潮前の子供に生理を説明するときは、そこまで詳しくなくても大丈夫です。
例えば「赤ちゃんが産めるのは、女性だけでしょ。そして女性のお腹の中には、赤ちゃんが入る子宮という部屋があるの。その子宮の中に、赤ちゃんを迎える準備として用意されるベッドがあって、使わなければ毎月体の外に出す仕組みになっているの。それが生理なんだよ。
生理は、あなたが健康に成長している証拠だから、ママ達にとっては嬉しいことなの」というように、女性として成長する上で、自然で喜ばしいことだと伝えましょう。
また、生理の詳しい機能の説明は省略してもいいのですが、「ある日突然来るけれども、決して慌てなくていい」ということだけは、しっかり念押しをしてあげる必要があります。
またパパには「私が家にいたら対応するから、あなたはそっと席を外して欲しい」とか「生理用品の使い方は教えておくから、私の留守中にそうなった時はトイレにあるナプキンを渡して欲しい」など、パパができる役目を明確に伝えることが大切です。
【事前準備チェックリスト】
☑ 生理の存在、仕組みを簡単に説明する。
☑ おりものの説明をして、おりものが出たら生理もいずれ来ると教える。
☑ 年頃になったら、外出時や登校時に生理用ナプキンを持たせる。
☑ サニタリーショーツをあらかじめ購入して、準備しておく。
☑ 学校など外出先で初潮が来た場合はどうするかなど一度話し合っておく。
☑ 夫婦間で、母親の留守中に初潮が訪れた場合などを確認し合う。
いざ初潮が来たら、もっと詳しく説明しましょう
娘が初潮を迎えても、決して騒いではいけません。本人は少なからず動揺していますので、まずは親が落ち着いてあげましょう。「大人の体になったんだよ、良かったね」とさらりと言いつつ、心や体を気遣う言葉をかけるのがポイント。
ママからの「大丈夫だよ、みんな通る道だよ」という言葉ほど、子どもが安心するものはありません。
そして、子どもの心と体が落ち着いた頃を見計らって、生理についてさらに詳しく話してあげましょう。
本人にとっては気恥ずかしい話なので、父親や男兄弟がいない場所で話をするというのは最低限の思いやりです。ただ男兄弟には、理解できそうな場合のみ、後で個別に話してあげてもいいですね。
高学年以上の子どもには、同性の親が伝えるとスムーズでしょう。男女の体の違いを、異性である息子もちゃんと受け止めて理解できたら、将来、女性を思いやることのできる男性となってくれるはずです。 初潮が来た時には、以下のようなことを娘に教えてあげましょう。
【生理の教育チェックリスト】
☑ ナプキンやタンポンの使い分け → 軽い日用、ふつうの日用、多い日用、多い日の夜用などの種類がある。 → タンポンは、プールの時などに使うと便利。
☑ サニタリーショーツ → 防水素材、生理用品を入れるポケットなど、便利な機能がある。 → サニタリーショーツにも、レースタイプ、ボクサータイプ、夜用など種類がある。
☑ 生理用品の捨て方 → 決して人から見えないよう、トイレットペーパーで包んで捨てる。 → 必ず備え付けのサニタリーボックスに入れること。
☑ 生理用品持ち歩き方 → 人に見えないように、ポーチなどに入れて持ち歩く。 → 生理期間外でも、常に1〜2個持ち歩くと良い。
☑ 生理用品交換のタイミング → 経血量にもよるが、1〜2時間おきに交換するのが理想。 → 交換を怠るとかぶれたり、匂いがしたりすることがある。
☑ 生理のリズム → 生理の期間は、3〜7日くらい続く。 → 2日目、3日目が経血量が多い。 → 毎月の生理開始日を記録して、自分の生理周期を把握すると良い。 → 定期的に来ていた生理周期が乱れる時は、体調不良の可能性もある。
☑ 血がついた下着やシーツの扱い方 → なるべく早いうちに石鹸で手洗いし、その後で洗濯機に入れる。 → 血液は、お湯で洗うと固まるので、水かぬるま湯で洗う。
☑ お風呂やプールの対応 → 湯船は、みんなが入った後、最後に入るのがマナー。 → プールの授業は休んでもいいが、タンポンを使えばプールも入れる。
☑ 体調が悪い時の対応 → 生理前後は、腹痛・眠気・倦怠感などがあることがある。 → 生理痛がひどい時は、体を温める。ひどい時は鎮痛剤を飲む。 → PMS(月経前症候群)という症状がある。 → いつもと違う痛みは、病気の可能性もあるので、婦人科などに相談するべき。
ママとパパの勇気と準備が、子どもの成長につながります
初潮の話は、確かに切り出しにくい話題です。けれども「当たり前のことだよ」と、開き直ったトーンで話せば、子ども側も案外すんなり受け入れてくれるもの。
また親子で一度でも性について話し合った経験があれば、その後も、親に体や心の変化などを相談しやすくなります。娘がスムーズに自分の成長を受け入れられる環境を整えてあげるのは、ママとパパの役目です。 子どもが心身共に大人の階段をのぼることができるように、ほんの少し勇気を出して、子どもと体の話をしてみて下さい。